悪魔の辞典(アンブローズ・ビアス)

 

世界を広げるヒント、第8回は「悪魔の辞典」ビアス著です。

 

 

私は高校生でこの本を読んだのですが、漫画やゲームのようなジャンル以外で「面白い」ものがあるということを、初めて実感したように思います。

 

 

さてタイトルどおり、この本は辞典なのですが、普通の辞典とはちょっと趣が違います。

 

 

例を挙げた方が早いので、挙げますね。

 

・博識・・中身が空っぽの頭蓋骨の中へ振いおとした書物の埃。

 

・大衆・・法律制定の諸問題で無視して差支えない要素。

 

 

こんなのもあります。

 

・感謝の念・・すでに受けた恩恵とこれから期待する恩恵との中間に位する感情

 

 

お分かりになったかと思いますが、普通の辞書とは違って、物事を風刺した辞書なんです。

 

 

ブラックユーモアに近い、ユーモアですね。

 

 

この本が書かれたのは1870年代、アメリカ。

 

 

政界が腐敗堕落した時期だったと、「新編 悪魔の辞典」のあとがきにあります。

 

 

その中でビアスはジャーナリストとして文筆で政界、宗教界を糾弾していった。

その一部が悪魔の辞典です。

 

 

そのようにアメリカ社会を見つめていたビアスは、150年近く後の日本の読者なんて想像もしていなかったでしょうが。。

 

 

この本のどこに惹かれるのかというと、やはり、色んな側面から物事の本質を見ているところかなと思います。

 

 

これは予想ですが、この本を読んだ感想として人が抱くのは、

 

 

①バカバカしい、と無視する

 

②こんな皮肉っぽい見方をするなんて、と身構える

 

③面白がって笑う

 

 

の何れかになるのではないでしょうか。

 

 

で、たいていの人は①か②のように真面目に反応しちゃうのでしょうが、実は本当に人生を楽しめるのは、③のように考えられる人なのかな、と。

 

 

ビアスのように物事の本質をつくことができて、しかも楽しめたら(ビアスがこのように考えられていたかは不明)、

 

生きることが少し楽しくなるかもしれませんね。

 

 

それでは、今回も読んでいただいて、ありがとうございました!

 

創造性 ★★★

実用性 ★★★★