世界を広げるブログ、第21回はパパラギ(エーリッヒ・ショイルマン)です。
パパラギとは西洋人のこと。
文明未発達の地に育った原住民が西洋を訪ね戻ってから書き留めた手記が、第一次大戦直後の1920年に刊行されました。それがこの本です。
内容ですが、西洋人が物質的に豊かでも、本質的には豊かではないことを看破し、率直に、様々な側面から問題提起しています。
分類としては、
「服」「住居」「お金」「時間」「仕事」「物」「心」そして「思想」まで。
要約して言うと、物の豊かさではなくて心の豊かさが大事、と言うことなのでしょうが、本当に物の無い原住民から見た視点ですから、リアリティがあります。
「住居」
なんで一日中、箱(家)の中にいて窒息してしまわないのか、強いあこがれのあまり鳥になろうと思わないのか・・
「お金」
西洋の社会では無いと役立たずと言われる。
そしてそのお金は他人を働かせることに使われ、自分は代わりに何もしなくなる。
この世界での価値は気高さや勇気ではなく心の輝きでもなくお金を集められるか・・
「物」
いつでも多くの物を作ろうとしている。
そして集め続け、見張る。無ければ生きて行けないと思っている。
そして、少ししか持たないと貧しいと言って悲しがる。
見渡してみなさい、空、海、鳥のいる森、大いなる物に満ちあふれているのに・・
結構、心にグサッとくる内容もあるのではないかと思います。
物事の価値を世間が決めて、自分も追従して、それが足りない人をさげすんだりしたら・・自分が怖くなりませんか。
最近は社会的貢献など、心を求める動きが強くなっているのは明らかですが、それでもまだ決められた価値観の中で考えていることが多いと思います。
最後に思想の話。
「思想」
彼らは自分たちの思想に酔っぱらっているようなものだ。
日が輝けば、「日はいま、なんと美しく輝いていることか」と言うが、大間違いだ。
かしこいサモア人なら暖かい畑の中で手を伸ばし、何も考えない。
頭だけでなく体全部で光を楽しむ!皮膚や手足だって考えているのだ!
頭で考えてばかりいないで、たまにはのんびりと「当たり前」を疑うのも楽しいかもしれませんね。
明日は会社・・当たり前ではないのかも・・でも、自発的に行くようにします!
それでは、今日も読んでいただいてありがとうございました。
創造性 ★★★
実用性 ★★★★★