世界を広げるヒント、第24回は「ご冗談でしょう、ファインマンさん(R.P.ファインマン著)」です。
この本はノーベル物理学賞受賞の科学者、ファインマンの経験した出来事を綴った伝記、というよりは日記のようなものです。
物理学の権威というと、堅苦しくて、ずっと研究に没頭して、という人物像を想像されるかもしれません。
しかし、そんなことは幻想であると、すぐに気づくでしょう。
なぜなら、ファインマンはいたずら好きでユーモアの固まりのような人だからです!
・金庫破りの法則を見出して、いつの間にか開けて持ち主を驚かせたり
・誰も解けないようなパズルや手品で皆をびっくりさせたり
・寮のドアを外してしらばっくれたり
・哲学の講義で素朴な疑問を呈して、皆を困らせたり
こう事実だけ書くと、悪いことのようにも見えてしまいますが、あくまで悪気のないいたずら。ユーモアの範疇なんですよね。
そんな過去が面白おかしく書かれているこの本ですが、特に考えさせられたのは次の二つです。
一つは、ふざけることの大事さ。
最近、人の目やルールが厳しくて、ちょっとふざけたりしても、大げさに反応する人が出て来てしまったり、何だか殺伐とした
世の中になってきている気がします。
寝てる人の顔にラクガキじゃないですけど、たまには他愛もないいたずらや、ふざけることも人生に少し楽しみを与えるのでは、
と改めて思いました。
もう一つは、興味を持ったら実行することの大事さ。
これまで書いてきたことからすると意外に見えると思いますが、ファインマンという方は、一方で非常に真面目な人です。
何か疑問を持ったら、興味を持ったら、何でも真面目に、着実に実行します。
蟻が餌を見つけた後、どうやって仲間に知らせるのか疑問に思ったら、実際に装置を作って実験してみる。
先述の金庫の話でも、金庫破りをしたいのではなくて、自分のところのキャビネットが簡単に開いてしまったので、問題意識を
持ったのが始まりです。
仕掛けを研究しているうちに、趣味が高じて金庫が破れるようになった、ということです。
興味を持ったら、それについて真面目に考え、だいたい、実行してみるのですよね。
(それで、その中で少し遊びが、おふざけが出てくる感じです)
そのように興味を持ったら実行するのは、もちろん学問の世界でも同様で、物理だけではなく化学や哲学などにも興味を持った都度、他の研究室に行って学んでいました。
そのような性格の方が、ノーベル賞という偉業を成し遂げたというのは、なにか感じるところがありました。
最後に、彼がノーベル賞をもらうもととなったダイアグラムという発明が、研究に没頭していたときではなく、むしろ研究に疲れ、「前みたいに、ただ物理で遊ぶようにしよう」と思い至った矢先の、遊びの中でだったことを付け加えておきます。
やはり遊び、ふざけるのは大事ということですね〜
それでは今回も、読んでいただき、ありがとうございました。
明日は会社で堅い顔をしているのはやめ、遊び心をもって仕事を楽しみましょう!
(自分に言ってます)
創造性 ★★★★
実用性 ★★★★