小説の自由(保坂和志)

 

世界を広げるヒント、第26回は「小説の自由(保坂和志著)」です。

 

 

このブログの目的「世界を広げる」は「これまでとは違う世界を実感する」とほぼ同義ですが、そういう意味で、この本はその目的にうってつけです。

 

 

内容ですが、現在・過去の小説を引用しながら「小説とは何か」「何を表現しているのか」を考えていくものです。

 

 

実は、この本を要約するのは困難です。。

 

 

読んでも特定の何かを学べるというよりは、自分の頭で考え、体感して、自分なりの何かを得られる、と言う方が適切な気がします。

 

 

それでも無理に学んだことを書き連ねると・・

 

・小説は動的である

・単なる言葉による表現ではない

・論理や科学で表せない世界がある

・全体は部分の総和ではない

・人の数だけ小説はある

・開かれている方、希望が望ましい

・小説は読んでいる時しか小説ではない

 

などがあります。

 

 

書いてみると何だか薄っぺらいです。

 

ですが、先ほど申し上げたように、この本で得られるのは自分の考えが生まれそれが体に馴染んで行く、体感の部分。

 

「世界は広い」という漠とした実感だったりします。

そして、それが何かとても大事なもののように思えるのですよね。

 

 

単なる知識ではなくて、自分なりの世界の捉え方というか・・そういうものが少しだけ、見えてくるからでしょうか。

 

 

上記箇条書きも、全てが保坂さんが語っていたものとは限らず、自分なりに理解してきたものを書き連ねたまでです。

 

 

知識を得たということではなく、そういうことを少しでも考えられるようになったこと、それが素晴らしいのではないかと思いました。

 

 

とはいえ最後に分かりやすい効用を一つ。

 

 

この本を読むと、色んな文学作品が読みたくなりますよ!

カフカ、トルストイ、カポーティ・・

 

 

それでは、本日も読んでいただいてありがとうございました。

 

 

創造性 ★★★★

実用性 ★★★★★