「複雑系」とは何か(吉永良正)

 

世界を広げるヒント第27回は「複雑系」とは何か(吉永良正)です。

 

 

まず「複雑系」聞いたことがある人もない人もいるかと思います。

 

 

端的に言うと、これまでできる限りシンプルな法則に収斂させようとしてきた科学とは異なり複雑なものを複雑なままに理解しようという科学と言えるかと思います。

 

 

・初期状態の差が大きな差を生む

・いくら微分しても直線にはならない

 ・(シンプルな)二点間のモデルを考えてから三点間のモデルを考えようとしても説明できない

 

 

など、これまでは単純な美しい公式で表せると考えられてていたものがそうはならず、「そうではないのではないか」と考え直しているのが特徴です。

 

 

この本では、複雑系の科学そのものではなく、複雑系の科学へと進んで来た「科学」の道のりまた複雑系科学の研究履歴が記載されています。

 

 

その中で特に参考になるのが、科学がこれまで「普遍性」を重視していたため、いつの間にか現代人が「機械的」なものの見方をしてしまっているのではないかと筆者が問うくだりです。

 

 

そして、それにより、知らぬ間に私たちの世界は幾重ものヴェールに覆われてしまい、接し方が規定されてしまっているのではないか、と筆者は続けます。

 

 

言われてみれば、

「必ず」「美しい答えが」「一つだけある」そのように私達は考えがちではないでしょうか。

 

 

本書のとおり、絶対的な真理を夢想せず、複雑なものを複雑なままに見ようとする態度がこれからは重要なのかもしれません。

 

 

単純化を諦めるのではなく、単純化できないこともある、そもそも複雑であることを認める。

 

 

単純化は人間が考えやすくするためのモデルだという割り切りも必要かもしれませんね。

 

 

そうすると、なんだか科学が人間に近づいて身近になった感じがしませんか?

 

 

それでは、本日も読んでいただいて、ありがとうございました。

 

 

複雑な世界だからこそ楽しいということは、きっとありますよね!そんな世界で、明日からまたがんばりましょう!

 

創造性 ★★★

実用性 ★★★