ヴェニスの商人(シェイクスピア)

 

世界を広げるヒント第35回はヴェニスの商人(シェイクスピア)です。

 

 

この話は戯曲です。背景描写は場の始まりだけ。後は登場人物の会話だけで話が進みます。

 

 

ストーリーは親友のために富豪がユダヤ人の高利貸しに借金をし、その担保に自信の「肉1ポンド」を約束する。そして、その借金が返せない事態になっていき・・というものです。

 

 

昔の物語(1596年)に先入観があり、引き込むストーリーのようなものは無いのかなと思っていました。

 

 

しかし、「肉1ポンド」を高利貸しに担保を取られてしまうという設定が強く効いており、最後までどうなるのかが気になります。

 

 

最も印象に残ったシーン等を挙げるよりも、最も感じ入ったことを書きたいと思いますが、それは話のシンプルさ・明快さでしょうか。

 

 

高利貸しはお金、富豪は友情を大事にするなど登場人物の人物描写は分かりやすく、ストーリーもごくシンプルです。

 

 

シンプルであるが故に、考える余地があります。

 

 

少し想像を巡らすと、友情、愛情、人種差別、正義、お金と幾つも考えさせられるテーマが出てきます。

 

 

大衆小説のように、具体的で緻密な内容、その人物に身を置いてみるような読み方も楽しいのですが、逆に読み手に委ねられているものも良いと思えました。

 

 

精神的に大人になればなるほど、多くのことを考えられそうな気がします。

 

 

それでは、今回も読んでいただいてありがとうございました。

 

 

戯曲は私にとって新しいジャンルでした。そのように未知の分野のものを意識的に手に取るのも、世界を広げる秘訣かもしれませんね!

 

 

創造性 ★★★★

実用性 ★★