独立国家のつくりかた(坂口恭平)

 

世界を広げるヒント、第36回は独立国家のつくりかた(坂口恭平著)です。

 

 

感想ですが、とにかく刺激的な内容だと思います。

 

 

私と同じ1978年生まれでこんな人生を送っている人がいることに驚きです。

 

 

タイトルに疑問を持つ方が多いと思いますが、この方は本当に独立国家を作ってしまいました。

 

 

理屈はこうです。

 

・東日本大震災の時、最も大事なはずの人の命をまず救おうとしない政府に疑問を持った。

(関係者やテレビ局に働きかけたが動かず)

 

・政府が政府として機能しないのを見て、この国が無政府状態であると考えた。

 

・罰則を受けないルール内で(芸術という位置付けで)新政府を(彼曰く勝手に)樹立。

 

・避難所を作り、百人以上を宿泊させる。

 

 

*その際、どういう方針で避難計画を行っているかはしっかり人に伝えていた。

 

 

「政府」という言葉から、過激な活動に見えますが、実際は誰を無理に巻き込む訳でもなく、また考え方に筋が通っています。

 

 

端から見ると、大胆な内容なので、その活動がとてつもないことのように思えてしまいます。

 

しかし、冷静によくよく行動を見てみると、変わったことではなく、普通に、順番立てて物事を考えているだけとも見えませんか。

 

 

状況を見て、信じられる行動が何かしっかり考えて、後は地道に行動する。

 

 

これを恐れずに、愚直に繰り返せることが彼のすごさなのだと私は感じました。

 

 

さてもう一つ、彼の考え方で最も役に立つと思われる考え方をご紹介します。

 

 

それは「レイヤー」という考え方です。

 

 

彼の意見では、人間はみなレイヤーを通じて物事を見ている。

 

 

レイヤーとはものの見方を決める尺度のようなものだと私は理解しました。

 

 

たとえば我々にとって「家」と言えば自分の家のことを指しますが路上生活者の中では街全体を「家」のように考えて水道だったりを使っている方々がいるとのこと。

 

 

我々はなかなか公園の水道を、生活の水を供給する場と見ることはできない。

 

 

しかし、そのようにフラットに、色々な見方ができることは、その人の世界の広さと言えるのではないでしょうか。

 

 

また、最も特筆すべきこととして、「レイヤーは既存の仕組みを許容する」ということが挙げられると思います。

 

 

たとえば、先に政府の話を出しましたが、彼は政府を否定はするものの、政府をどうにかしようというような主張は一切していません。

 

 

既存の仕組みを無理に変えることは考えずに、別の枠組みで物事を考え、実現しようという、合理的かつシンプルな思考です。

 

 

この、既存の仕組みを壊さずに、別の枠組みで考えるという考え方は、どこでも応用が効くのではと思いました。

 

 

本日はここまでです。

読んでいただいて、ありがとうございました。

 

 

明日も、一つ一つ、何をするべきか考えて、後は実行するのみですね!

 

創造性 ★★★★

実用性 ★★★★★