今日の芸術(岡本太郎)

 

世界を広げるヒント第38回は今日の芸術(岡本太郎著)です。

 

 

岡本太郎と言えば「芸術は爆発だ!」という台詞や作品「太陽の塔」「明日の神話」などが有名ですが、本日取り上げるのは書籍です。

 

 

この方はその発言と芸術家という職業から勝手な先入観でいわゆる「感覚」の方だと思っていましたら、とんでもない、とても論理的に文章を書かれる方でした。

 

 

この本では、芸術とは何か、芸術を行う上で何が大切か、芸術を行う上で障害となるものは何かを説いていきます。

 

 

私が最も重要だと思ったのは以下です。

 

・「芸・上手・きれい」と「芸術・いやったらしい・美しい」は違う

 

・従って、上手に書く必要はどこにもない。(周りがそれを強制しがちなのが問題)

 

・「モダニズム(近代主義)」と「アヴァンギャルド(前衛)」は違う

 

・絵は当時の時代背景のもとで作られる。なので。当時の名作が今も感動を呼ぶとは限らない。

 (むしろ現代のアートの方が心を揺さぶる可能性があるはず)

 

 

私自身の話で恐縮ですが、美術の授業でいつも絵が下手で、「自分は美術が苦手」と劣等感があったものですから、岡本太郎

さんの、「下手であればほどいい」にはとても励まされました。

 

 

また、美術館に行ってもなかなか絵に感動せずに、感受性が低いのかな・・と思っていたところ、「昔の絵だから」と言われたことで、ひょっとして自分は普通なのかも、という気になれました。

 

 

そんな誰もが陥りがちな罠を、平然と蹴飛ばしてくれるようで、読んでいてとても晴れやかな気持ちになりますね。

 

 

岡本太郎さんの本や絵は何度も見ていますが、やはり何度見ても素晴らしいのはその「明るさ」「生命力」「正しさ」「前向きさ」「エネルギー」です。

 

 

つまらないことは一切言わずに、ただパッと明るく創造に命を見やしている。そしてそれを「あなたにもできる」と言ってくれる、それがいつも勇気を与えてくれます。

 

 

それでは、今回も読んでいただいて、ありがとうございました。

 

明日も生命を燃やしていきましょう!!

 

創造性 ★★★★

実用性 ★★★★★