変身(カフカ)

 

世界を広げるヒント第44回は変身(カフカ著)です。

 

 

あらすじくらいは聞いたことがあるでしょうか。

 

 

「変身」は普通の社会人が突然、大きな虫へと姿を変えてしまう小説です。

 

 

この小説の何が新しいかと言うと、虫になってしまったことに、何の象徴的な意味が無いところでしょう。

 

 

私は高校時代、文学を学校の授業で教わっていました。

 

 

その時、文学作品においては、物語中に出てくる色々なものが、何かを象徴していたものでした。

 

 

たとえば橋やコウモリは異世界と現世をつなぐ境界の象徴。煙突やレモンは性器など。

 

 

何か意味があって、ものや登場人物が小説には配置される。それが当然だと思っていました。

 

 

ところが変身にはそれがない。

 

 

主人公は突然虫に変身しますが、背景や理由などがありません。

 

 

そして、主人公を含め誰もそれを気に留めることもないわけです。

 

 

このように意味を持たないことがカフカの作品の特長の一つと言えます。

 

 

ただ、意味は無いが、そして不気味ですがそこに確実に「何かはある」。

 

 

そう言えるところがまた面白いですね。

 

 

それでは、本日も読んでいただいて、ありがとうございました!

 

 

分からないものに多く出会えると、案外人生面白いかもしれませんね!

 

 

創造性 ★★★★

実用性 ★★