世界を広げるヒント、第46回はどくとるマンボウ航海記(北杜夫著)です。
作家兼医師の北杜夫が船医として5ヶ月間、世界を回遊した際の航海記です。
旅というものが自由を感じさせることはあるのでしょうが、非常にユーモラスに人生を楽しんでいる様が読み取れます。
「小島でもあるとすぐに占領してしまいたくなる。日本のものにするのではなく、新しい国を設立するため。ところがけしからぬことに他の国が盗っていて、おまけに人間まで住んでいる」
「スエズでは「チャイニーズ?」と訊かれた・・私は反射的に「ノオ、ジャパニーズ」とかなり大きな声で言い・・俺としたことが何たることだ、今度訊かれたら遊星人だとでも答えようと考えた。」
ただ、ここで特筆すべきなのは、何か特別なことが起こっているわけではないということ。
小島を見かけるのも、人に話しかけられるのも至って普通のことです。
旅なので、少し意外なことが起こったり、見知らぬ外国の方と会うことで面白いことがある側面もあるかと思いますが、決してそれだけではないのだと考えます。
要は、どれだけ面白がれるか、面白がるための引き出しを自分の中に持っているか、そういうことではないでしょうか。
その人次第で、他愛もないことで人は楽しめるものなのですね。
それでは、今回も読んでいただいて、ありがとうございました!
明日も想像力を持って楽しみましょう!
創造性 ★★★★
実用性 ★★★★★