海にはワニがいる(ファビオ・ジェーダ)

 

世界を広げるヒント、第50回は海にはワニがいる(ファビオ・ジェーダ著)です。

 

 

アフガニスタンの、武装勢力に標的にされた村の10歳の少年が8年もの間、母に置き去りにされ(父は行方不明)安息の地を求めて漂流するという日本では想像もできないような話です。

 

 

道中で同じ境遇の少年が倒れて行くなど、厳しいシーンが多いのですが、自分が一番印象に残っているのは、(確かですが)トラックのタイヤと車体の入って移動するシーン。

 

 

強烈な臭いが充満する中、仲間と喉の渇きで苦しみながら、時にはいがみあい、それでも長時間、同じ体勢で車に乗り続けます。

 

 

「苦しい」「辛い」というような表現では決して表すことができない世界かと思います。

 

 

なお表題の「海にはワニがいる」は決死の覚悟で海を渡る少年達が知識が無い中、「海にはワニがいるのでは、大丈夫か」

と話し合いながら、それでも海に出て行く、そんな会話から取られています。

 

 

この本は読んでいて決して楽しいものではないですし、「知らない方が幸せ」という言葉もよく言われますが、それでも私は

少なくとも、このような世界があることは認識しておいた方がよいと思いました。

 

 

それでは、本日も読んでいただいて、ありがとうございました、

 

 

創造性 ★★★

実用性 ★★★