人から勧められるよりは、自分で本を選んで読んで行こうと思っているのですが、サピエンス全史は普通に面白かったです。やはり何事にもこだわりすぎてはいけませんね。
さて内容の一部を紹介しますが、私が注目したのは「虚構」についてです。
「私たちは虚構を信じて生きている」。筆者によると、集団を組織するには虚構を使う必要があり、そうしてホモ・サピエンスは世界の王になったと言うことです。
理屈はこうです。一人一人をよく知って組織を保つには150人が限界。それ以上の組織を作るには全員が信じる虚構を作る必要があります。
例えば会社であれば、会社内のルール、席の配置、上下関係など。こういうものは実は実態が存在せず、それを存在すると皆が信じていることで初めて会社が成り立ちます。もっと言うと、会社の存在自体が虚構であると言うことなのです。
そして、会社だけではなく、国、法律など全てに実態が存在せず、我々が信じている虚構だと筆者は説きます。
確かに、国や法律などに実体はありません。でも我々はそれがあると信じている、だから虚構だと言うことです。
そう考えると、確かに我々は実体の存在ではなく、信じることによって生きている。その通りだなということが理解できます。
それだけでも少し怖いのですが、さらに読み進めていくと、我々が信じている価値観も虚構であり、そこに絶対性がないと言うことが書いてあります。ここが私が一番怖かったポイントです。
ハンムラビ法典があった国、時代では目には目にをという考え方を皆が信じていた。
私たちが人類は生まれながらに平等(であるべき)と信じている。
ではどちらが正しいのか?答えは、どちらも虚構であり、絶対性などというものはないと言うのです。
だとしたら、いま私たちが信じている価値観が後の時代でも正しいと信じられるとどうして言えるでしょうか?
よくよく、常識も疑って考える必要がありそうです。(もちろん、皆が信じることでうまく成り立っていると言う事実も忘れずに・・)