あいつはいいやつだ。悪いことなどしない。
そのように人にレッテルを貼っていることはないだろうか。
その場合、あまり決めつけない方がいいかもしれない。
なぜなら、人は置かれたシチュエーションによって、良くも悪くもなるからだ。
よくテレビで見るシーンで次のようなものがある。
罪を犯した人の近所の方にテレビ局のアナウンサーがインタビュー。
すると「あいさつをするいい子だったのに」という反応が。
なぜそういうことが起きるのか。
その人は「近所の人に会う」という何でもないシチュエーションではあいさつをするという良い行動が取れる。
ただ、そうではないシチュエーション、たとえば心が鬱屈し、悪い行動をしやすいような状況では同じ彼が、罪を犯してしまう。
つまり、人格(いいやつかどうか)だけでは決まらない。
人格 × シチュエーションで行動が決まるということだ。
いいやつであっても、本当にピンチな状況になったらどういう行動を取るかはわからない。
以上より、完全な「いいやつ」などいないことが分かるだろう。
さて、この事実を踏まえたときに、何か気をつけることはあるか?
先の理屈の裏を返すと、ピンチな状況を作らなければ彼はいいやつのままである可能性が高い。
ということは、人がそんな状況にならないように注意することが望ましいということだ。
苦しそうな人がいたら、助けてあげようということかもしれない。
なお、心理学の勉強をする中で、人は次のように考えやすいという記述があった。
・自分が悪いことをしたときは、それはシチュエーションのせいだと考える。
・他人が悪いことをしたときは、それは人格のせいだと考える。
いずれも誤りで、人格 × シチュエーションが正解である。
なお、人格(筆者)はシチュエーション(やることが多すぎる)ときに不機嫌になることがある。
果たして、これはシチュエーションの問題だろう。
人格が未熟だからではない。