私も含め多くの人が知らない「ワクワクする考え方」を見つけて紹介するブログ「世界を広げるヒント2」をスタートします。

サピエンス全史(ユヴァル・ノア・ハラリ)

人から勧められるよりは、自分で本を選んで読んで行こうと思っているのですが、サピエンス全史は普通に面白かったです。やはり何事にもこだわりすぎてはいけませんね。

 

さて内容の一部を紹介しますが、私が注目したのは「虚構」についてです。

 

「私たちは虚構を信じて生きている」。筆者によると、集団を組織するには虚構を使う必要があり、そうしてホモ・サピエンスは世界の王になったと言うことです。

 

理屈はこうです。一人一人をよく知って組織を保つには150人が限界。それ以上の組織を作るには全員が信じる虚構を作る必要があります。

 

例えば会社であれば、会社内のルール、席の配置、上下関係など。こういうものは実は実態が存在せず、それを存在すると皆が信じていることで初めて会社が成り立ちます。もっと言うと、会社の存在自体が虚構であると言うことなのです。

 

そして、会社だけではなく、国、法律など全てに実態が存在せず、我々が信じている虚構だと筆者は説きます。

 

確かに、国や法律などに実体はありません。でも我々はそれがあると信じている、だから虚構だと言うことです。

 

そう考えると、確かに我々は実体の存在ではなく、信じることによって生きている。その通りだなということが理解できます。

 

 

それだけでも少し怖いのですが、さらに読み進めていくと、我々が信じている価値観も虚構であり、そこに絶対性がないと言うことが書いてあります。ここが私が一番怖かったポイントです。

 

ハンムラビ法典があった国、時代では目には目にをという考え方を皆が信じていた。

私たちが人類は生まれながらに平等(であるべき)と信じている。

ではどちらが正しいのか?答えは、どちらも虚構であり、絶対性などというものはないと言うのです。

 

だとしたら、いま私たちが信じている価値観が後の時代でも正しいと信じられるとどうして言えるでしょうか?

 

よくよく、常識も疑って考える必要がありそうです。(もちろん、皆が信じることでうまく成り立っていると言う事実も忘れずに・・)

高野聖(泉鏡花)

文豪泉鏡花 × 球体関節人形展に行ってきたこともあり、今回は泉鏡花の高野聖(こうやひじり)を紹介したいと思います。

 

高校の授業で習った時の感動も深く、いつか話したいなと思っていました。

 

さてその内容について。

 

泉鏡花の作品は異界が出現してくる、あの世が見えてくるようなところがあり、高野聖もその特徴を持っています。

 

旅で山奥に入った僧が出会う美女。精神に障害を持った男を夫に持ち、山の動物(巨大な蛭を含む)で痛んだ身体を風呂場で洗って癒してくれます。

 

ところが、その美女には誘惑にかられた男を動物に変える力があるのです。さて男は・・というあらすじです。

 

ストーリーも面白いのですが、感動があるのはその世界観。山、美女、動物、僧、変化と、異界の地に踏み込んだような感覚がこの小説を読むと感じられます。

 

そして不思議なのは読んでいる間、この超現実がそんなに離れたものではなく、この世の少し向こうにある。つまり決して遠い世界のことではないと感じられることです。

 

現代社会はそのような異界は目に入らないように作られています。目に見えるものだけ信じる(例えば数字)ことを信じこまされているとも言えるでしょう。ところが、その少し向こうには異界がある。そう考えると、世界が広がっていくような気がしませんか。

 

本日も読んでいただいて、ありがとうございました。

ユートピアだより(ウィリアム・モリス)

本日紹介するのは19世紀のデザイナー、ウィリアム・モリスの「ユートピアだより」です。

 

モリスと言えば自然をモチーフにしたデザイン柄が有名ですね。しかし、デザインだけではなく、政治活動や文筆活動も精力的に行っていました。ここではそのうちの文筆活動をご紹介しようと思います。

 

話は小説仕立てになっていて、19世紀の人間が22世紀にタイムスリップ、そこがウィリアム・モリスの考えるユートピアになっています。その世界を通じて、モリスが持つ「幸せの価値観」が伝えられます。

 

少しだけ世界をご紹介すると。

 

・美しいものに囲まれた世界。機械よりも芸術、ボート、草刈りなどに楽しさを感じている。

 

・生活は派手ではないが、毎晩演奏が駅前で行われるような楽しさに溢れている。

 

・自発的に生産がなされていて、お金のやりとりなどはない。

 

・ストレスがなく美しいものに囲まれているため人は20年くらいも若く見える。

 

 

どうしてこうなった?については闘争の結果が説明されていますが、私は経過よりもいくつか注目すべき価値観をご紹介したいと思います。

 

・「すべての仕事がいまでは楽しめるものになっている」仕事は楽しいから行なっている。

 

・仕事自体に繰り返し行いたくなる要素があったり、創造するケースが多くそれ自体がご褒美。

 

・美しさを愛でる。装飾など芸術を楽しんでいる。「良いところですよ、建築が見事なため」と言った褒め言葉。

 

 

何が本当は理想なのか、現実で考えることはなかなかありませんが、この本を読むと「こういう価値観もありだな」と思えるものがきっと発見できるでしょう。デザイナーでもあるモリスの考えた美しさ、芸術をまとったユートピアに足を踏み入れてはいかがでしょうか。