自己流園芸ベランダ派(いとうせいこう)

 

第3弾は「自己流園芸ベランダ派=いとうせいこう作」です。

 

 

はい、過去2回と比べだいぶポップな感じです。

 

 

アーティスト、哲学者と来て、バラエティータレントですから。

 

 

あ、でも、ライブ活動もやっているみたいだし、音楽家?

いや、いま紹介しているのが本だということは・・エッセイスト?

 

 

うーん、一言で言うと、「クリエイター」でしょうか。

 

 

この本以外にもケーブルTVで

作品を見かけましたが、「動物オリンピック」!

 

内容はご想像にお任せします(たぶん想像どおり)が、独自の視点を感じさせるものでした。

※数年前TSUTAYAで見かけました。面白いのでぜひ見てみてください。

 

 

さて「自己流園芸ベランダ派」ですが、一言で言うと、植物を育てる話です。

 

植物っていうと、普通に聞こえますね。

だけど、それがこの人にかかると新しい視点が出てきます。

 

 

 

特色はその育てるスタイルにあります。

 

 

 

ベランダという制約条件下で、最大限楽しもうとするその態度。

 

彼はたくさん植物を育てようとするのですが、当然置く数が限られています。

 

その中で

「シャクナゲをこっちに移動させて、そのスペースにサザンカを・・」

「こっちのスーパーでヒヤシンスが売っている、でも高いな、

 来週になれば浅草の植木市で他にも色々安く売っているかもしれないし・・」

 

とかやっているわけです。

 

 

その姿だけでもユーモアがあって面白いのですが、

 

一つ一つの花に描写があり、またドラマがあります。

 

「芙蓉の花が咲いている。でも大事なゴーヤのツルが絡み付いている。

 ああ、でも切るのは忍びない。どうしよう・・と思っているときに台風が来て・・」

っていう具合に。

 

なんていうか、現実味があって、いいです。

 

 

そもそも、花ってなかなか意識しないですけど、本当に色んな種類があって、形があって、色がある。

 

実は、すごく楽しいものなんだなー、と思えました。

 

 

 

それで、この本を読んで改めて思ったのは、

 

「日常にある物も見方を変えればこんなに面白い・楽しめる」

 

ってことでした。

 

 

人生を楽しむコツの一つは、物の見方ですね!

それをいとうせいこうさんのおかげで再認識できました。

 

 

 

明日は普通に会社ですが、楽しむぞー。

 

 

それでは今日はここまでです。

最後までお付き合いいただき、ありがとうございました〜。

 

創造性 ★★★

実用性 ★★★

ジェットコースターにもほどがある(宮田珠己)

 

世界を広げるヒント、第15回は「ジェットコースターにもほどがある」宮田珠己著です。

 

 

タイトルからして、こんな本あるんだ?という印象を受けるかもしれません。

 

 

そう、世にも珍しい、ジェットコースターについて語られた本なのです。

 

日本だけではなく、アメリカや他国の様々な種類のコースターを語っています。

 

 

この方はエッセイストと呼ぶのが適切でしょうか。

 

 

旅行記が一番多いと思いますが、それ以外にも、盆栽や海の生物や大仏など、世の中の色々な不思議なものを紹介しています。

 

 

本書はその中の一つ、ジェットコースターの話ですね。様々なコースターの解説をまじめにマニアックにしています。

 

 

アメリカの「メドゥーサ」の乗り方が新しいとかやっぱり「ミレニアムフォース」が一番で減速しないのが素晴らしいとか。

 

 

もちろんその内容もとても楽しいのですが私は解説そのものよりも、途中で挿入される筆者の空想に魅力を感じました。

 

 

どんなジェットコースターを作るのがいいか、ということを筆者が考える場面があるのですが、立ち入り禁止の大きい建物の横はどうだろうか工場なんてどうだろうか、コースターの隣にガスタンクがあって火を吹く煙突を間近で見れるなんて楽しい・・など想像力満点なのです。

 

このホームページ、ブログのテーマの一つは「楽しむ」ですが、それを地で行った発想。

 

このようにいつも好きな想像をしていたら、本当に人生が楽しくなるだろう、と思います。

 

 

次に、彼の本でよく出てくる「うりゃうりゃ感」という言葉。ジェットコースターに乗るときにもこの感じがあるらしいのですが、心の底から楽しいときに細胞からじわーって楽しくなる感覚。そういう表現もいいですよね

 

理屈ではなく感じている。そしてその感じを自分の言葉に。そういうセンスを持つことも、人生を楽しむコツになるのかなーと。

 

 

本の最後には夜中、大好きなアメリカのジェットコースターに乗って、満点の星空を疾走して感動するシーンが。普通にいいなー、と思います。

 

 

彼のように好きなことを見つけ、想像力を働かせ、自分の言葉で表現できたら日々の生活はより楽しくなるのでしょうね。

(もちろん真面目に仕事をしている方だと思っています。その上で。)

 

 

それでは今日も読んでいただいてありがとうございました。

 

明日も楽しんで行きましょう。

 

創造性 ★★★★

実用性 ★★

ラクガキ・マスター(寄藤文平)

 

世界を広げるヒント、第23回は「ラクガキ・マスター」寄藤文平著です。

 

 

不思議なタイトルのこの本は「ラクガキ(落書き)の方法」を絵(これもラクガキです)を交えつつ、ゆるーく、わかりやすく書いている本です。

 

 

ラクガキに方法?私も最初は疑問でしたが、著者によると、物事にコツがあるのと同様、ラクガキにも方法論があるのだそうです。

 

 

・枝を描くのはトーナメント表を逆に・・

 

・馬や牛は爪で立つ人をイメージすると・・

 

・力んでいる人はカラダがガチガチで、ぴーんと手足を伸ばしていて・・

 

など。

 

 

いずれも図解付きなので、見た目も楽しいです。 

(絵がお見せできないのが残念ですが、ユーモアに満ちた感じで、とてもいいです)

 

 

というか、「ラクガキ」みたいな、ふわっとしたものにも、法則が存在するのですね!

 

 

皆さんもおそらく、そのように考えたことはなかったのではないでしょうか。

 

 

思い込みって本当に怖いものです。

 

 

さて、私がこの本を手にしたのは、とにかく何事にも自分が文字で考えがちなので絵を使って考えたりできたら、もっと思考が自由に広がるだろうなーと思ったからでした。

 

 

著者も

 

「ラクガキはいちばん大きな世界を描くためのいちばん小さな絵」

 

と言っていますので、あながち間違いではないのかもしれませんね。

 

 

そういえば、小学生の頃はとにかくラクガキを描いていたものです。

 

 

ドラゴンクエストが流行っていた影響もあってモンスターを何百種類も書いて、どんな性格、能力とか想像しながら、とても楽しかったのを覚えています。

 

 

いまは会社だからというのもありますが、書かなくなりました。

 

 

大方の方もそうではないかと思います。

 

 

ラクガキの仕方も改めて習ったことだし、大人ならではのラクガキを始めてみるのも悪くないかもしれませんね。

 

 

それでは、今日も読んでいただいて、ありがとうございました。

 

創造性 ★★★

実用性 ★★★

地球200周!ふしぎ植物探検記(山口進)

 

世界を広げるヒント、第30回は地球200周!ふしぎ植物探検記(山口進著)です。

 

 

著者の山口さんはジャポニカ学習帳の表紙の昆虫写真を1978年以来、お一人で担当されているとのことです。すごいですよね!

 

 

ふしぎ植物探検記は著者が昆虫を求めて旅している中で目にした世界の面白植物を紹介する本です。(著者は昆虫がメイン研究)

 

 

ちなみに200周は800万kmとのことです。長すぎて、想像が付かないほどですね。

 

 

さて、面白植物ですが、たとえば以下のようなものがあります。

 

 

・土の中で咲くラン、リザンテラ・ガルドゥネリ

 

・30kgの子供を乗せても沈まない水上の覇者、オオオニバス

 

・アンコールワット遺跡を覆う木をさらに覆う絞め殺しの木、イチジク

*Wikipediaより、リザンテラ・ガルドゥネリ
*Wikipediaより、リザンテラ・ガルドゥネリ

 

不思議な植物の生態に、驚きますよね。

 

 

中でも「ショクダイオオコンニャク」という花は植物に対して我々が持っている「常識」をいとも簡単に覆してくれます。

 

 

<ショクダイオオコンニャク>

 

・高さ2m〜3m。直径80cm

 

・4kmもの谷間に充満する臭気(腐った魚と砂糖が焦げる匂い)

 

・7年に1度咲き、2日でしおれる

 

 

少し気持ち悪い感じですが・・

*Wikipediaより。ショクダイオオコンニャク
*Wikipediaより。ショクダイオオコンニャク

 

思えば実家の庭に植えられた柿の木は2年に1度しか実がなりませんでしたが・・ならない時もあるのかな、と思う程度でした。

 

 

それが、7年も・・大きさだって、花とは思えません。

 

 

でも、ちゃんと理屈はあります。

 

 

時間を掛けて巨大化し、季節性を持つ昆虫発生時に限定して開花する。その時、大きいことで強い匂いを発生する。

 

それにより、受粉率を高めているのだそうです。

 

 

論理的に、理屈さえ通れば、信じられないようなものが存在する可能性がある。

 

 

自分たちが知らないだけで。

 

 

ということは、人間も場合によっては30cmくらいだったり、5mだったりになることが、ありうるのでしょうか?

 

 

地球ではなくても宇宙なら??

 

 

そういうことを考えるのは、夢がありますし、ワクワクしますね。

 

 

それでは、本日も読んでいただいて、ありがとうございました。

 

明日も可能性に満ちた日常を楽しみましょう!

 

創造性 ★★★

実用性 ★★★

どくとるマンボウ航海記(北杜夫)

 

世界を広げるヒント、第46回はどくとるマンボウ航海記(北杜夫著)です。

 

 

作家兼医師の北杜夫が船医として5ヶ月間、世界を回遊した際の航海記です。

 

 

旅というものが自由を感じさせることはあるのでしょうが、非常にユーモラスに人生を楽しんでいる様が読み取れます。

 

 

「小島でもあるとすぐに占領してしまいたくなる。日本のものにするのではなく、新しい国を設立するため。ところがけしからぬことに他の国が盗っていて、おまけに人間まで住んでいる」

 

 

「スエズでは「チャイニーズ?」と訊かれた・・私は反射的に「ノオ、ジャパニーズ」とかなり大きな声で言い・・俺としたことが何たることだ、今度訊かれたら遊星人だとでも答えようと考えた。」

 

 

ただ、ここで特筆すべきなのは、何か特別なことが起こっているわけではないということ。

 

 

小島を見かけるのも、人に話しかけられるのも至って普通のことです。

 

 

旅なので、少し意外なことが起こったり、見知らぬ外国の方と会うことで面白いことがある側面もあるかと思いますが、決してそれだけではないのだと考えます。

 

 

要は、どれだけ面白がれるか、面白がるための引き出しを自分の中に持っているか、そういうことではないでしょうか。

 

 

その人次第で、他愛もないことで人は楽しめるものなのですね。

 

 

それでは、今回も読んでいただいて、ありがとうございました!

 

 

明日も想像力を持って楽しみましょう!

 

 

創造性 ★★★★

実用性 ★★★★★