世界を広げるヒント第32回は文明崩壊(ジャレド・ダイアモンド著)です。
私たちの住んでいる地球では、現存している文明以外にも過去いくつもの文明が生まれ、そして滅んでいきました。
それらの文明がなぜ滅んだのか、本著はそれを解き明かす壮大な試みを行っています。
マヤ文明やイースター島など、誰しも聞いたことがある文明もそれらの中に入っています。
興味深いと感じる方も多いかもしれませんね。
この本では、何が原因で文明が滅んだのかを一つ一つ解き明かして行きます。
・森林破壊
・海産資源の崩壊
・土壌の減少
・外来種による環境破壊
・人口増加
などが、地理的条件等により引き起こされ、文明が滅んできたことが解説されます。
恐ろしいのは、上記原因よりも、それがなぜ止められなかったのかが記載されている章でした。
年々の森林破壊が遅々としすぎていて、感知が難しいことなどは、現在であれば解決可能な気もし、希望が持てます。
しかし、人間同士の利害が衝突する、たとえば昔の鉱業会社で、会社の利益のみを考えて社会側に環境破壊のコストを委ねるような例は現代にも起こりうることであると思われました。
ただし、この本にはもちろん希望も書かれています。環境保護思想が一般市民にまで広がりつつあることなど。
著者が、希望が見えたからこそ子供をもうける判断をしたと語っていましたが、それこそが、もっとも説得力があるかもしれません。
個人的には、物質欲で満足ができなくなった優秀な人材が、さらなる満足を求めて、環境問題のような「やりがいのある」仕事に
向かうのでは、とも思っているのですが、少し意地悪な見方かもしれません!
最後に、この本で考えさせられたのは。
・文明崩壊という非常に大きな「結果」もそれを引き起こす「原因」が幾重にも積み重なってできているものであること。
・大きくてとても手に負えないような問題も一つ一つ突き詰めていけば解ける可能性があるということ。
大きな問題でも、最初から「できない」とあきらめる必要はないということですね!
今週はここまでです。
なお、著者は「銃・病原菌・鉄」という本も書いており、そちらもオススメです。
それでは、本日も読んでいただいて、ありがとうございました。
明日も「世界を広げ」、大きな課題である「楽しさを追求」して行こうと思います!
創造性 ★★★
実用性 ★★★★